乳がん

 乳がんのピークは40歳代にありますが、20歳代でもすでに見つかっている方がいます。若い女性に多く、ホルモンに依存することが多いのが特徴です。しこりを自覚して見つかる以外に、検診マンモグラフィなどで見つかることが多くなっています。条件により乳房温存手術が可能です。

年齢別治療件数 (1998-2010年)

 がんになった人の年齢を示しています。乳がんのピークは50歳代にあります。
 当院では、全体的に高齢者が多いのが特徴です。

年齢別治療件数
  件 数 割 合
20代以下 0 0.0%
20代 2 0.5%
30代 29 7.2%
40代 78 19.5%
50代 96 23.9%
60代 90 22.4%
70代 75 18.7%
80代 27 6.7%
90代以上 4 1.0%
総 計 401 100.0%
年齢別治療件数

 

年間診療実績(1998-2010年)

 過去10年間のがんが見つかった人数を示しています。年々増えているがんと、減っているがんがあります。

年間診療実績
件 数
1998 34
1999 31
2000 29
2001 33
2002 36
2003 33
2004 23
2005 24
2006 35
2007 34
2008 29
2009 30
2010 30
総 計 401
年間診療実績

 

乳房温存について

  乳房切断はがんのある乳房を全部切除しますが、乳房温存とは、乳腺を全部切除するのでなく、乳がんが残らないようにまわりの乳腺とつけて切除することで、乳腺を部分的に残すことです。がんの広がりがあまり大きくなく(大体3センチ位まで)、周囲のリンパ節に転移がない場合に乳房温存できる可能性があります。言葉からすると、乳房が左右同じように残るように見えますが、手術した側の乳房は、反対側乳房に比べて小さくなったり、少し変形したりします。例えば2センチのがんでもまわりに2センチの乳腺をつけて切除すると、6センチ近い切除となり、もともと乳房の小さい人は変形しやすくなります。がんが大きくて、乳房温存の適応にならない場合でも、手術前に化学療法を行うことで、がんを小さくし、乳房温存を行うこともあります。

 乳房温存を行う場合は温存した乳房内のがんの再発を抑えるために、放射線治療を加えることが必要になります。放射線治療は1日1回、2グレイずつ、計25回(計50グレイ)かけます。放射線照射により、皮膚が硬くなりやすいので、左右の乳房を同じようにしたい場合は、乳房を全部切除して、形成外科で再建をするほうがきれいになることもあります。乳がんの進展の様子で温存できない場合もありますが、温存を希望される場合はそれぞれのメリットと、デメリットを考えて決定していただけたらと思います。

 当科では、本人のご希望を優先しています。乳がんの進展状況や、高齢の方で温存を希望されない方もおり、温存率は年によってばらつきがあります。

乳房温存率
  乳房温存手術 乳房切除術 手術症例数 温 存 率
1998 6 28 34 17.6%
1999 5 25 30 16.7%
2000 3 26 29 10.3%
2001 9 23 32 28.1%
2002 15 21 36 41.7%
2003 3 30 33 9.1%
2004 3 17 20 15.0%
2005 2 21 23 8.7%
2006 11 24 35 31.4%
2007 14 18 32 43.8%
2008 16 13 29 55.2%
2009 7 17 24 29.2%
2010 15 15 30 50.0%
総 計 109 278 387 28.2%
乳房温存手術割合

 

5年生存率(2002-2009年)

 がんと判明してから、あるいは手術をしてから5年後に生存しているか、死亡しているかを調べて生存の割合を示したのが、5年生存率です。

 ステージとは、がんの進行度を深達度(がんがどの深さまで入っているか)、転移(リンパ節にとんでいるか、いないか、肝臓や肺など離れた臓器にとんでいるか、いないか)の状況により分類したもので、通常1(0)から4までに分類されています。ステージが大きくなるほどがんの進行度が上がります。死亡の理由としてがんが原因で亡くなることを原病死、他の病気(脳出血や心筋梗塞)や老衰、交通事故などで亡くなることを他病死といいます。このデータでは他病死も含めた死亡としています。手術時の年齢が75歳とすると、5年後には80歳になるわけで、他の病気で亡くなる可能性も高くなります。

年間治療実績
  1年 2年 3年 4年 5年 症例数
0・1 100.0% 100.0% 98.6% 97.0% 97.0% 98
2 100.0% 98.9% 97.6% 97.6% 97.6% 99
3 96.8% 93.5% 89.1% 82.2% 82.2% 32
4 80.8% 67.3% 53.9% 35.9% 35.9% 11
全ステージ 98.7% 97.3% 95.0% 93.7% 92.9% 240
5年生存率(2002-2008年)

※非治癒切除例含む